人事制度の3つの構成要素の1つである等級制度に関し、今回は、等級の設定基準についてご説明します。
等級制度においてとても重要な「等級」の設定には、大きく2種類の基準があります。
「人」基準と「仕事」基準です。それぞれの特徴をご紹介します。
① 人基準:能力で差をつける
各人の「能力」を基準として、等級を設定します。同じ役割であっても、その人の有する「能力」が異なれば等級は異なります。
→知識・経験を積むことで向上する「職務遂行能力」を基準として等級を決定することになります。
<メリット>
能力に合わせた昇格が可能。スキルアップに対する従業員のモチベーションが上がる。
<注意点>
能力は年々向上するのが通常であり、結果として年功序列になりやすい。
② 仕事基準:仕事で差をつける
各人が行っている「仕事」を基準として、等級を設定します。同じ役割を担っているのであれば、たとえ各人の能力が異なっても、原則として等級は同じとなります。
→「職務の価値やレベル(困難度、重要度、責任)」を基準にして等級を決定することになります。
<メリット>
現在の仕事の価値をもとに等級を決定するため、年功序列的に等級が上昇していくのを防げる。実力主義が強くなる。
<注意点>
ポスト不足の場合には昇格しにくい。また役割の定義が必要となる。
2つの基準については、それぞれのメリット、デメリットがあります。会社の方針や職種等によって決定をしていていくのがよいと考えられます。また2つの基準の折衷案も考えられます。
ご不明点があればFDI人事労務コンサルタントにいつでもご相談ください。